記号としての職種名
求人の世界に浸かっていると、つくづく思ってくるんですよね。
求職者は職種名に、翻弄されているな‥と笑
例えば同じ仕事内容でも、
提案営業と書くよりメーカー営業とかいた方が応募がくるし、
CADオペレーターと書くより、設計サポート事務とかいた方が応募がくるし、
システムエンジニアと書くより、ITサポート事務の方が応募がくるし、
これは、得体の知らない言葉よりも、誰もが知ってる言葉に変換した方がいいという教訓でしょうか。
逆に、
トラックドライバーと書くより、セールスドライバーの方が応募がくるし、
ホールスタッフと書くより、店長候補と書く方が応募がくる。
わかりやすいけど、下に見られがちな仕事は、カッコよくて得体の知れない言葉に変換した方が、応募したくなるのでしょう。
※最近はあまり通用しませんが
とにかく職種名の影響力って、計り知れません。
より魅力的に見せることは大切な一方で、職種名でダマして応募を集めようとする企業もいます。
残念ながら。
僕も不本意ながら悪の片棒を担いでいて、コールセンターのテレアポの仕事を、一般事務と書くように指示を受けて、書いたこともあります。
応募者がどんな気持ちになったのかと思うと‥ねぇ‥。
もう、そういうことはやめよう‥と思います。
アイヒマンという人をご存知でしょうか。
ナチスドイツの偉いさんで、アウシュビッツにせっせとユダヤ人を輸送する仕事を取りまとめていた人らしいのですが、
終戦後の裁判で、どんな悪人が出てくるかと思ったら、めっちゃただのおっさんだった。
というエピソードがあります。
いまでいうと、真面目サラリーマンって感じで、要は組織の命令にただ従っていただけのおっさん。
仕組みを疑うことなく、真面目に仕事をしていたら、めっちゃ悪いことをしていたけど、それに気づかない。
悪の陳腐さ。
という言葉でまとめられた本に、諸々書かれてますが、
僕もそうなるのかなぁ‥
という風に切なくなりました。
笑
職種名の影響力は計り知れないから、デリケートに扱うべき。
そんなお話でした。