コモディティ化は、求人広告の世界でも起きているのか?
最近知った言葉なので、ちょっと使ってみました。
知ったきっかけは、「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」という本。
結構話題になってるみたいなので、まぁ適当に調べてもらうとして‥
この本では「正解のコモディティ化」という言葉として登場しています。
どういう意味かというと、
データを見たり市場調査をしたり、教科書通りのマーケティング手法にのっとったら、同じような商品をどこのメーカーも作っちゃうよね。
っていうことのようです。
この本の中では、それを否定はしないものの、頭打ちになってると指摘しています。
その例として挙げていたのが日本のケータイのメーカー。
10年ほど前は、「小さい方がいい」というマーケティング結果を信じて、しのぎを削っていたガラケーたちは、全然小さくないiPhoneにかっさらわれていきました。
スティーブ・ジョブズは、マーケティングなんて一切行わず、iPhoneを作ったそうです。間違いなく市場調査をしてたら生まれてない商品でしょう。
だから、ある種のデータに裏付けされない美意識というコンパスを持って、この荒波を泳いで行こうぜ!
‥ザックリ言うと、こういうことらしいです。
なるほどなぁ‥と感じる一方で、
求人広告の世界はどうだろうか?
と、ふと疑問に思ったわけです。
(だから今回のテーマにしたわけです。)
世の中にあふれている求人広告。
書かれている情報って、
残業ゼロ
完全週休二日
年間休日120日以上
月給●万円以上
的な?
要するに、楽で、稼げる仕事を、みんな探しているはずだ!
というマーケティング調査のもと、求人広告を出しているわけです。
こうなると仕事の探し方も、もはや物件探しみたいなもので、
2LDKで家賃8万以下、市内で駅徒歩10分、二階以上‥
みたいになるわけですね。
面白くない。
でも、一定の効果は見込めるでしょう。
求人広告を出稿する側は、不安でいっぱいです。
なんせ、応募ゼロという可能性も否定できませんから。
だから求人広告屋は、クライアントに尋ねられます。
「応募効果はどれくらい見込めるのか?」
「同じような原稿で、同じような会社がどれくらい応募を集めているのか?」
「わかるわけねぇだろ」
という言葉を飲み込んで、それなりの効果が期待できそうな単語を詰め合わせて、クライアントへの菓子折りにしちゃうんですよね。
一方で、求人広告を見る側、つまり求職者の意識の変化はどうでしょうか。
コモディティ化した正解、つまり完全週休二日制、残業なし、高収入を求めているのでしょうか。
僕の感覚では‥
まぁ、ほとんどの人は求めているでしょうね。
この会社に入りたい!この仕事がしたい!という欲求よりも、完全週休二日制で、残業なしで、そこそこの給料の会社で、事務職。
どこかに入れたら、どこでもいいなぁ‥
という感覚が、まだまだ多数派な気がしますね。
まぁ仕事なんて入ってみないとわからないから、「とりあえず、間違いのない休みと給料くらいは押さえとくか」
ていうのは、正しい判断なのかもしれません。
そこに迎合して、コモディティ化した正解で、茶番のような求人を出し続けるのが、まぁ無難な判断でしょう。
結論、コモディティ化は求人広告の世界でも起きています。
ただ、
正直、コモディティ化していないところで勝負した方が、勝機あるっていうのが僕の実感です。
でも、やってみないと分からない。
やってみないと分からないっていうのは、プロとして言ってはいけないらしいですが、みんな、やってみないと分からないを違う言い方に変えて、分かっているように見せているだけですから。
結果、やってみないと分からない。
まぁ、試行錯誤していきましょうか。