求人広告 J-POP化問題について
採用ライターくんは凹んでいます。
練りに練ってつくった、
渾身のキャッチコピー。
たった5分でクライアントに赤入れをされ、
返ってきたのは・・・
「安定企業で、自分らしく働ける!」
・・・
「自分らしく」ってなんやねん(哲学)
とりあえず、
「自分らしく」で、
転職サイト内をフリーワード検索してみた。
結構あるな。
自分らしく働ける仕事・・・。
なんというか、
求人広告における常套句というか、
J-POPでいう「会いたい」みたいな、
こういう言葉って結構あります。
有名どころでいうと「アットホーム」。
他には「充実の研修」「プライベート充実」
的な。
やっぱり、使い勝手がいい言葉ってあるんですよね。
毎日毎日原稿を書いていると、
つい手癖のように使いそうになります。
そして、
なんとなくそれっぽいし、
明確に否定する理由もないから、
クライアントも納得しちゃう。
結果、量産型J-POP広告が生まれるというわけです。
簡単に作れてしまう一方で、
求職者からすれば何の情報も得られない無意味な広告。
「アットホーム!」
「自分らしく働ける!」
「充実の研修!」
「プライベート充実!」
ぶっちゃけ、どんな会社でも当てはまりますよね。
「めっちゃ疎外感を感じる職場!」
「自分を殺し機械のように働く!」
「雑な研修!勝手に育て!」
「プライベートはないと思え!」
こんな会社ないでしょ。
あっても書かないでしょ。
(逆に目立ちそうですが…)
つまり何が言いたいかというと、
常套句を考えなしに使うのは、
意味ないからやめようという事です。
「じゃあどうすればええねん」
という声もあるかと思いますが、
答えはいたってシンプルです。
「分解」
これだけです。
例えば「アットホーム」をアピールしたいなら、
かみ砕いて、具体的に考えましょう。
「アットホーム」にもいろいろあります。
◆先輩が優しくフォローしてくれるのか。
◆仕事は個人プレーだけど、休日にBBQしまくるのか。
◆社長にため口ききまくるのか。
◆おばちゃん社員がお弁当を作ってくれるのか。
◆残業しまくりで、家より長い時間会社にいるのか。
このように考えていけば、
「自社がアットホームである」
と感じたエピソードが、
いくつか思い浮かんでくるはずです。
そうなれば、もうコピーはできたようなもの。
そのお話を、ありのまま書けば完成です。
上記の例であれば・・・
◆ウチの会社「相談しづらいなぁ」を、禁止しました。
◆仕事の相談をするなら、お肉を片手に。
◆「山田くん(社長)おはよう!」入社3ヶ月目 新入社員のセリフです。
◆オカン担当の社員が、毎日手作り弁当を配ってくれます。
◆自分の家より居心地がいい。楽しい会社だから、頑張れています。
もちろん、
エピソード内容や表現に良し悪しはありますが、
「アットホーム」と書くよりは、
生身の会社像が伝わるはずです。
これを考えるのは、本来僕を含め、
求人広告ライターの仕事。
その意図をクライアントに伝えるのも僕らの仕事。
でも、頼むから、
5分で考えたコピーを送り返すのはやめてくれ(涙)
ダメ出しする時は、
ちょっと考えてほしい。
そうすれば量産型J-POPのような、
意味のない求人は生まれないよ。
そんなお話でした。
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