働き方改革って言いますが、働くを悪者にしないでくださいね。
エン転職のCMで流れる言葉です。
ぼくはこの言葉が好きです。
その理由は追って説明するとして‥
多くの求人広告は、
「働く=我慢」であり
「働くのはお金のために仕方なく」であり
「短い時間で、たくさん稼げればいい仕事」という前提のもと構成されています。
コスパ主義をつきつめた、いわゆる合理的経済人を想定しています。
まぁ効率が大事というのは同意ですが、ぼくはこの考え方が嫌いです。
なぜなら、人は本来誰かの役に立てることが好きなのに、この考え方は実態と異なるものだと感じるからです。
料理をする人なら実感すると思いますが、
誰かにご飯をご馳走してもらうことよりも、
自分の手料理を「おいしい!おいしい!」と食べてもらうことの方が喜びが大きくありませんか?
体育の授業で、でっかいマットを運ぶときに
側から眺めているだけ、あるいは手を添えているだけよりも、一生懸命に運ぶ方が楽しくないですか?
バーベキューの準備を誰かにしてもらうよりも、
自分で行動した方が気持ちよくないですか?
褒めてもらえようが、褒めてもらえまいが
本来人間って、共同体に貢献したいと欲求を持っているはずなんです。
コスパ主義の合理的経済人というのは、この気持ちを無視したものだと言えます。
ですが、厄介なのは、
この考え方が広まるにつれて、多くの人は自分のことを合理的経済人であると勘違いしてしまっているということです。
その現状に対して、「働くを悪者にしないでくださいね」というのは、
人々を労働の本質に振り返らせる、いい言葉だと感じます。
だから好きなんですよね。エンジャパン。
別にブラック企業を礼賛しているのではありません。
ブラック企業はだいたい、役に立たないものを売りつけたりすることで、成り立っている会社が多いですから。
役に立つ事業をしていれば、売り上げもよくなって、社員に還元できるはず。
そして、人も集まり、ホワイト企業になっていくはずです。
もちろん、一概には言えませんが、僕が見た中では概ね間違っていないと感じています。
だから仕事を探す人は、誰かの役に立てることを仕事とするべきだし、
会社は、自社の利益の前を考える前に、誰かの役に立つ事業を始めるべきなんです。
そりゃあ、持続性を考えれば、儲かるかどうかは大切ですが、役に立つ事業さえ初めてしまえば、あとはマネタイズは方法論にしか過ぎませんから
どうにでもなるでしょう。
‥というのは希望的観測ですが、
みんながこういう風に考えられれば、もっと世の中が良くなるのになぁと思うこの頃でした。